精進料理コラムとレシピ「ふっくら煮豆」

泉竹さんの精進料理コラム:煮豆はあわてずゆっくりと

ある高名な料理長のお話に、
「今後の料理は和洋中問わずに、今まで以上に野菜との調和が大切になる。その意味でもっとも現代的な料理は精進料理だと言えます。」
精進料理に係わる者として、大変に嬉しいお話で感激しました。

師匠である京都・泉仙の山本鶴之助氏より野菜との調和だけでなく、食と人の調和が精進料理の心の一つと、また日本食(おばんざい)が世界一の健康食と言われるのも、精進料理の功績が大きいと教わりました。
生意気ですが私は、現代社会に必要な「心身を養うという意味の食育」にも精進料理は貢献できると考えています。

また高名な料理長は「本膳料理・会席料理・茶懐石等、そのような呼称は普通は料理そのものと共に提供形態によりますが、精進料理は使う素材に言及して、提供形式を定義に含んでいない。」とお話しにありました。

師匠である京都・泉仙の山本鶴之助氏は今でも良く野菜の皮むきをしています。皮むきを使わずに、どんな野菜も小さな包丁で皮を剥きます。
師匠はこう教えてくれました。「牛蒡1本大根1本にそれぞれの顔や性格があり、日向育ち、日陰育ち、手入れの良い畑で出来たのか、悪い土地で出来たのか、皮をむきながら、触れてゆっくり話すと野菜が教えてくれる。」

ふっくら煮豆その師匠が我々弟子の様々な話を聞いて、色々な話をして頂ける一番の機会は、ガス台に幾つもの鍋を並べて、豆をたいてる(煮ている)時でした。
話の途中、途中で「どうだ」と言いながら手の平に一粒づつ豆を乗せて頂きました。

「豆たくのは簡単だけど料理する者一人一人の個性が見えて、育った環境や家庭の味まで見えてくる。あわてずにゆっくりと人の話と豆の話を良く聞いて,豆に人の顔が見れるころは、豆も人もやさしくふっくらとなる。」
思い出すと、幼いころ母と良く話をしていた所は台所でした。

今回は各家庭で同じように煮ても、同じ味にならない煮豆をゆっくり、やさしい気持ちでチャレンジして下さい。
ぱぱぱのレシピには反しますが、時間をかけて味を見ながら楽しみながら作って下さい。

精進料理レシピ:ふっくら煮豆

材料(4人前)

  • ふっくら煮豆大豆(150g)
  • とら豆(150g)
  • 白花豆(200g)
  • 砂糖(適量)
  • 塩(適量)
  • しょうゆ(適量)
  • 昆布(豆それぞれに20g)
  • 乾燥しいたけ(大1枚)

つくりかた

  1. 前日に豆を水に浸して戻しておきます。(※大事なポイントです!)
  2. 翌日豆をざるに取り浸しておいた水を変えて、鍋1つに豆1種類で水を入れて(目安2リットル位)出し昆布20gを入れて火にかけます。
  3. 沸騰の前に火を弱くして、あくを取り除きます。(火加減の目安は豆が2~3個ゆっくりと踊る位)
  4. しばらくしてあくを取り除きながら、少しづつ味を付けていきます。
  5. 2回程味を付けた所から紙の落としぶたをかけてさらに煮ていきます。
  6. これでいいと思えたら火を消して、冷まして完成です。

調味料の目安

  • 大豆:砂糖30g、しょうゆ大さじ1を最大に最後に塩1つまみ(乾燥椎茸1枚)
  • とら豆:砂糖100g、しょうゆ大さじ1を最大に最後に塩1つまみ(三温糖等を使用すると深みが増します)
  • 白花豆:砂糖150gを最大に最後に塩1つまみ(三温糖等を使用すると深みが増します)

豆の味付けのアドバイス

  • 甘い豆を作りたいときは乾燥豆の重さと同じ砂糖を使用する。
  • 味付けは(砂糖・塩等)最低3回出来れば5回~6回に分けて入れる。
  • 味見は砂糖・塩等を入れた10分後に行う。
  • 味は少し物足りない所で止める。
  • 大豆系豆は甘くなく煮るのがお勧め
  • トラ豆金時豆系は少し甘くがお勧め
  • 白花花咲き豆系は甘く煮るかサラダ等に入れるため極薄に煮る

ふっくら煮豆