精進料理コラムとレシピ「新筍の飯蒸し」
泉竹さんの精進料理コラム:精進料理を作る人を調采人と言いました。
精進料理、懐石料理、本膳料理等、現在の日本食の料理体系が確立されたのは鎌倉・室町時代と言われております。
そのころ全ての料理・食事(家庭の惣菜料理等)に影響を与えたのは精進料理です。
精進料理は仏教との深い関りで発達した料理体系で穀類等を調理するのは寺院の僧侶で「調采人(ちょうさいにん)」と呼ばれていました。
鳥や魚を扱う包丁人(現在の調理人の原型)とは異なる存在と認識されながら料理を作る職人としては、調采人は包丁人と対等な存在でした。
そば、うどん、豆腐から羊羹等、精進料理から発展したものは数知れずありますが現在は調采人を知っている方も少なく、名乗る方はいないと思われます。
仏門で修行をさせて頂いたことは無い私ですが、私なりに思うのは食が人を創り、食の在り方が人の人格形成に多大な影響を与えること又人間の欲望の果てし無さを、自らの命をつなぐ食からも学ぶ(修行する)から僧侶が調采人なのではないでしょうか。
又、調采人という言葉は無くなっていますが、現代において、精進料理の考え方、精神(調采人の心)が食に関る者として、大変に大事なことと思っています。
精進料理レシピ:新筍の飯蒸し
竹の成長はとても早く、タケノコとしておいしく食べられる時期はとても短いのです。漢字の「筍」は10日間を意味する「旬」に由来しています。 新筍の旬の時期を逃さず作りましょう!
材料(4人前)
- 皮付き新筍(4本)
直径5~6センチ・長さ12~13センチが理想 - もち米(1合)
- だし汁(カップ1)
昆布と椎茸出汁 - 薄口醤油(少々)
- みりん(少々)
- 塩(少々)
- 鷹の爪(1本)
つくりかた
- 筍はたわし等で洗い良く汚れを落とします。
- 洗った筍の先のとがった部分を2センチ程切り落とします。(下の汚れている所も切ります。)
- たっぷりと水の入った鍋に筍と鷹の爪、塩一つまみを入れて茹でる。(皮も使うので糠は入れない。)
- 竹串がスーッと入るくらい茹で(40~50分)そのまま冷まします。
- 冷めた筍の皮をむき中身を取り出します。(皮はのちほど使います。)
- 筍を輪切りに2~3ヶ所切って、その切った所に蒸したもち米を挟みます。
- 挟んだ筍を取っておいた皮で包み、サランラップで包みます。
- 15分蒸して出来上がり!
ワンポイント
- もち米に小豆を入れてもおいしく出来ます。
- お子様には、砂糖と醤油で甘辛のたれ(みたらし団子のイメージ)を作りかけると喜ばれます。
謝辞
この精進レシピおよびコラムは、「泉竹」からご提供頂いております。
http://www.izuchiku.jp/