精進料理コラムとレシピ「胡麻豆腐」

泉竹さんの精進料理コラム:精進料理とは、どんなお料理ですか?

胡麻豆腐(ごまどうふ)「精進」という言葉はサンスクリット語(古代インド語・梵語)でヴィリヤ(virya)の訳語です。
「精勤(せいごん)」とも訳され、本来の意味は、「精進を込めて悪心、悪行をおさえ、善行を修すること」を言います。 仏道に於いて精進という言葉は悟りを見極めるための大きな過程の大行とも言えます。
その「精進」の実践方法の一つに、美食(魚介肉類)を戒め、粗食(野菜、根菜、海藻類)であれということがあります。 また、「精進」は清らかに仏道を求める意とも相まって、なまぐさ物(魚介肉類等)をたべないという風習になっていきました。
この「精進」の精神に基づき、仏教が六世紀末に中国より渡来して以来、修行僧の食物に厳しい戒律を加えて各宗派独特の精進料理が生まれ、長い年月と幾多の変化を経て現在に至っています。
お茶の懐石料理もここから生まれ、また家庭に於ける惣菜料理の源であり、日本食は健康食と言われる由縁です。

精進料理の素材は鳥獣魚肉のような、旨味を伴う蛋白質がないので、おのずと手間をかけ造ります。 ですから、調理する者(お母さんや奥様、ご家族)の手間を食べていただく料理、愛情を食べていただく料理です。

精進料理で一番に思いつく料理といえば……

精進料理レシピ:胡麻豆腐(ごまどうふ)

胡麻豆腐は豆腐と言えども普通の豆腐とは造り方が違います。
普通の豆腐は大豆のエキス(豆乳)をにがり等で固めます。胡麻豆腐は胡麻のエキスを葛(デンプン)で練り固めます。

材料(4人前)

  • 胡麻豆腐(ごまどうふ)白むき胡麻(よく煎った物)(2カップ)
    または市販のねり胡麻でも良い(1カップ)
  • 葛粉(1カップ)
  • 水(6カップ)
  • 砂糖(大サジ1杯)
    (市販の練り胡麻を使う時は小さじ1杯)
  • 醤油(少々)
  • わさび(少々)

つくりかた

  1. 胡麻豆腐(ごまどうふ)よく煎った胡麻2カップを砂糖大サジ1杯とすり鉢で、ペースト状になるまでよくする。(時間の目安2時間)市販のねり胡麻の時もすり鉢で砂糖と一緒にすります。(この場合は、時間10分)
  2. 葛粉を水6カップでよく溶かし、ペースト状に良くすれた胡麻の入ったすり鉢に入れて、混ぜ合わせる。
  3. 混ぜ合わせた液を目の細かいこし器で液が残らないようにこす。(さらし等の木綿布でこしても良い)
  4. こした液を鍋に入れ中火にかける。木しゃもじで底が焦げないようにかき混ぜる。
  5. 粘りがよく出たところ(目安10分程)で火を弱める(弱火)その後30分よく木しゃもじで焦げないように練る。
  6. 30分後流し缶などの容器に入れて、あら熱をとる(下に氷を置くと特に良い)
  7. 食べる30分程前に冷蔵庫で冷しておく、容器から取り出して切る。(切りにくいので、スプーンなどですくい取り、器に盛るとよい。)
  8. わさび醤油でお召し上がり下さい。

謝辞

この精進レシピおよびコラムは、「泉竹」からご提供頂いております。
http://www.izuchiku.jp/