精進料理コラムとレシピ「雲片」

泉竹さんの精進料理コラム:
一つも無駄にせずに使わせて頂く事が精進料理を作ること

雲片和食、洋食どの分野の料理人も修行を始めて数年経つころは美味しいものに美味しいものを重ねる。掛け合わせる。足し算の料理を作りがちです。
私もその様な料理を作っている時、師匠である京都・泉仙の山本鶴之助氏が私がゴミ箱に捨てた野菜の切れ端を拾い、ある料理を作ってくれました。

「この料理は雲片(うんぺん)と言う。君の捨てた野菜の切れ端はゴミではないよ、雲のかけらだ。君は気が付かないけど、小さい野菜一つ一つにどれ程大きな大地の恵みが含まれている事か。 その恵みを、一つも無駄にせずに使わせて頂く事が精進料理を作ることだよ。感謝の心無く、料理が上手くなろう。美味しいものを作ろうとしてもだめだよ」

時代をとわず一流料理人と言われる方々は料理は余計な物を加えません。
引き算で作るとその材料の本来の持ち味を引き出すことが出来ると言われています。
まさしく精進料理の精神から来ていると思い、師匠に自然に感謝の気持ちが涌いて来ます。

今回はその時の「雲片」を再現して作ります。

精進料理レシピ:雲片

材料(4人前)

  • 雲片ごぼう(60g)
  • 人参(40g)
  • 蓮根(40g)
  • 茹でた筍(40g)
  • 干椎茸(30g)
  • グリンピース(50g)
  • サラダ油(ごま油)(大さじ2杯)
  • 水(カップ3)
  • だし昆布(30g)
  • 砂糖(大さじ2)
  • 醤油(薄口)(大さじ2)
  • 酒(小さじ1)
  • みりん(小さじ1)
  • 水溶き葛(少々)
  • けしの実(少々)

つくりかた

  1. ごぼう・人参は皮をむき長さ2センチ、太さ3ミリ程の棒状に切り、ごぼうは水にさらします。
  2. 蓮根は皮をむき、縦に4~6に割りそれを端から2ミリ程の厚さに切り水にさらします。
  3. 筍も蓮根と同じ様な形になるように切ります。干し椎茸はゴミを取るくらい軽く水洗いします。(筍のゆで方は省略いたします。)
  4. カップ3の水を鍋に入れ沸騰させます。沸騰したら火を止めて、水洗いした干し椎茸をいれます。
  5. 雲片お湯が冷めたら椎茸を取り出し長さ2センチ程にせん切りにします。
  6. 5を再度沸騰させ、火を止めて昆布を入れます。これがだし汁になります。
  7. グリンピースは皮をむき水に浸けます。鍋に水2カップ塩12グラムを入れ沸騰させます。沸騰したら水に浸けていたグリンピースの水を切り、沸騰し た鍋に入れ火を中火にして、紙の落し蓋をします。5分程煮たら鍋ごと氷など使い素早く冷まします。(素早く冷ますと色がきれいです。)
  8. 鍋に油を入れて、水切りしたごぼう・蓮根、筍・椎茸・人参、水切りしたグリンピース順番に手早く炒めます。
  9. その鍋に出し汁をいれ砂糖、醤油、酒、みりんを入れて5~6分程煮ます。(だし汁の目安はカップ1~2杯)
  10. 5~6分程煮たら、水溶き葛でとろみをつけ、器に盛り、けしの実をふりかけて出来上がり。