精進料理コラムとレシピ「ふきのとうの醤油煮」

泉竹さんの精進料理コラム:精進料理の繊細さと奥深さ

ふきのとうの醤油煮精進料理の基本では五味(酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かんみ)(塩 辛い味のこと))五色(青・黄・赤・白・黒)五法(生・煮る・焼く・揚げる・蒸す)の組み合わせを重視することを言われます。そのなかの味覚の五味に付い ては日本では淡味が追加されて六味とも渋味が追加されて七味とも言われて、繊細な日本料理の味の奥深さを表現しています。

その味の中で特に苦味をおいしく食べていただくのが一番難しいと調理人は言います。また苦味は子供にはわからない味で、人生を経てきて初めてわかる味と有名な調理人の方が言っています。

春が来てふきのとうが出回ると師匠である京都・泉仙の山本鶴之助氏の言葉を思い出します。精進料理は10代から修行して20・30代は赤ん坊、40代で一人前…10代の修行時代から苦くて嫌いなふきのとうを毎 年炊いて40歳を過ぎたころ味見をした一粒に自然と顔がほころびおいしいなと心から思えた時に、師匠から良い出来だと褒めて頂いたことを思い出します。

精進料理レシピ:ふきのとうの醤油煮

材料(4人前)

  • ふきのとうの醤油煮ふきのとう(12個)(小さい方が苦味が多いので、なるべく小さいもの)
  • 濃口醤油(50cc)
  • 酒(70cc)
  • みりん(30cc)
  • 水(100cc)

つくりかた

  1. ふきのとうは水洗いして、根元の部分に十文字の切れ込みを少し入れる。
  2. ふきのとうの醤油煮鍋で水を沸かしふきのとうを入れる。再度沸騰してきたら1分ほどで、冷水にふきのとうを取る。そのまま2日ほど1日2回水をかえて苦味を抜く。
  3. 鍋に水、濃口醤油、酒、みりんを入れ、ふきのとうの水気をとって入れ、火にかける。
  4. 沸騰したら中火にして炊く。煮汁が半分位になったらふきのとうを取り出す。煮汁だけを半分ほどに煮詰めて、再度ふきのとうを入れて煮汁がなくなるまで炊いて出来上がり。

謝辞

この精進レシピおよびコラムは、「泉竹」からご提供頂いております。
http://www.izuchiku.jp/