今年、漫画界の巨匠・水木しげる先生が逝去されました。
享年93歳。その業績はマンガやアニメにとどまらず、「妖怪」と
いう一大コンテンツ産業を、たったひとりで生み出してしまった
ということさえできます。
その偉大さに改めて思いをいたすと、大往生ながら「もう少し長生き
していただきたかった」という気持ちにも。
謹んでご冥福をお祈りいたします。合掌。
ところで水木先生は以前から、自宅近くのお寺にご自身が眠る
ためのお墓を用意していました。
墓前に鬼太郎とねずみ男の石像が立ったユニークな
デザインのものですが、このように生前に自ら準備しておく
お墓を「生前墓」または「寿陵」といいます。
「生きているうちに墓を作るなんて、どうも縁起が悪い…」と
考える方もいるようですが、「寿陵」という言葉からもわかるように、
本来生前から墓を用意しておくのはむしろ縁起のよいことと
されてきました。
歴史を遡れば、秦の始皇帝陵や古代日本の古墳も寿陵という
ことになりますし、日本に仏教を広めた聖徳太子が寿陵を
築いていたという伝承も残っています。
仏教では、生前に自らの死後のための仏事や供養を
行うことを「逆修」といい、平安貴族などはこぞって行いました。
当時は、死後の供養よりも何倍も功徳があると信じられたため
です。このため生前墓を「逆修墓」と呼ぶこともあります。
生前からどんなお墓がいいという意志を伝えておけば、
残されたご遺族が困らない、という現実的なメリットもありますね。
もしも「縁起が悪いから」と、お墓について考えるのをためらって
いる方がいらっしゃったら、心配はご無用。
ぜひご家族も交えてお話ししてみてください。
金剛院の永代供養墓サイトももうすぐ更新リニューアルします。