和尚の寺・金剛院の大本山である護国寺で
音楽と真言声明による音楽法要「春の彼岸会
横笛―赤尾三千子の世界」が行われました。
元禄時代の建築の粋を結集して建立された重要
文化財の観音堂での開催です。カメヤマローソク
さんが広い境内を神秘的な世界にライティング・・・。
横笛の奏者の第一人者である赤尾三千子さんが、
源義経が所持したと伝えられる「薄墨の笛」を奏で、
護国寺山内の僧侶による声明とともに、「死者の書」
(折口信夫・著)の世界を表現します。
作者の折口信夫さんは、国文学者、国学者、民俗学者、
歌人、詩人と多くの顔をもち、その著書は、死者を揺り
動かす力、浄土に帰った魂が目覚めていくみたいな
感覚を感じます。
ですから笛の音も、まさしく死者の言霊のように感じ、
堂内の聴衆も息を呑むように、物音もせずに笛の音に集中
していました。
そんな時、ナイスなタイミングでカラスが「カァ~~~~」
余計に臨場感があって気持ちが張り詰めてきます。
演出なのか堂内は、とても寒く、うかつにも防寒着を忘れた
ために寒い寒い~~。
でも、忘れえぬ人を思い出し偲ぶこともできたので、良い
彼岸会のご供養ができました。
ちょうど、この記事を書いている時に、お参りにこられた方。
いつも、お彼岸のお布施をいただいて、その袋には必ず俳句が・・・。
父と母 妹に会う 春彼岸
笛の音
おはようございます。
素敵な演奏会ですね。お寺さんも色々なイベントで盛り上がるとお参りのチャンスが楽しみです。
私目も実は能の笛方をしていた事がありました。もう結婚してからは芸事は止めてしまったのが少し口惜しい・・
いや、今は師匠との思い出ばかりです。
笛にはご存知のとーり、穴が開いているだけでリードなどはありません。
自分の吸った息が唄い口から吹き込まれる事によってのみ音が出ます。なので、篠笛・能管・竜笛などなど
空気と吾が身の頭骨臓腑全部が音響し合い音になるわけです。全身楽器です。
穴は声明の音階の7音で職人によって調律が施されており、それぞれの組み合わせで声明の合唱の音を限りなく近いものにするために独自の楽譜があります。
これは流派によって師匠からの口伝で伝えられていきます。
「薄墨の笛」のその笛が持つ、音色をひきだせるのは今のところ赤尾先生だけなのでしょうね・・
その笛を吹く時、笛方は自然と一体になり身体を通じて魂が宿ると言われています。
そして放たれた音色は空に溶けてゆくのです。
Osyouさんや皆さんの心の空に溶けていった事でしょう。
ゆがさま
こんばんは。
実はビックリしたのです・・・。
張り詰めた空気というか、一番低い笛の音の
さらにその下の音までもが聞こえてきそうな
空間でした。
人の身体が共鳴して、目に見えぬ世界に伝わって
いく感じです。
能の笛方・・残念ですね。なんかカッコイイ~