死者を揺り動かす力



和尚の寺・金剛院の大本山である護国寺で
音楽と真言声明による音楽法要「春の彼岸会
横笛―赤尾三千子の世界」が行われました。

元禄時代の建築の粋を結集して建立された重要
文化財の観音堂での開催です。カメヤマローソク
さんが広い境内を神秘的な世界にライティング・・・。

横笛の奏者の第一人者である赤尾三千子さんが、
源義経が所持したと伝えられる「薄墨の笛」を奏で、
護国寺山内の僧侶による声明とともに、「死者の書」
(折口信夫・著)の世界を表現します。

作者の折口信夫さんは、国文学者、国学者、民俗学者、
歌人、詩人と多くの顔をもち、その著書は、死者を揺り
動かす力、浄土に帰った魂が目覚めていくみたいな
感覚を感じます。

ですから笛の音も、まさしく死者の言霊のように感じ、
堂内の聴衆も息を呑むように、物音もせずに笛の音に集中
していました。

そんな時、ナイスなタイミングでカラスが「カァ~~~~」
余計に臨場感があって気持ちが張り詰めてきます。

演出なのか堂内は、とても寒く、うかつにも防寒着を忘れた
ために寒い寒い~~。

でも、忘れえぬ人を思い出し偲ぶこともできたので、良い
彼岸会のご供養ができました。

ちょうど、この記事を書いている時に、お参りにこられた方。
いつも、お彼岸のお布施をいただいて、その袋には必ず俳句が・・・。

 父と母 妹に会う 春彼岸

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