開花宣言がでましたね。今年も桜の季節のはじまりですね。
暑さ寒さも彼岸まで、とはよくいったものです。
お花見といえば真っ先に公園が思い浮かぶかと思いますが、
お寺という場所も、銘木と呼ばれるような素晴らしい桜を管理している
ことが多々あります。
たとえば東京の都心部であれば、品川にある清岸寺境内の祐天桜は
推定樹齢300年、23区内で最古とも呼ばれる貴重な桜で、その名前に
もなっているように江戸時代の名僧祐天上人がお手植えしたものだと
いわれています。
八王子市高楽寺のしだれ桜は、これも推定樹齢200年という立派なもので、
満開になるとまるでお姫様が傘をかぶったような美しい姿になるという
ことで「姫桜」とも呼ばれて親しまれています。
ちょっと遠出をしてみると、長野県飯田市には「弥陀の四十八願」と
呼ばれる桜があります。
これは江戸時代、飯田城主だった大名脇坂安政が兄の菩提を弔うために
植させた桜のこと。
脇坂安政は、阿弥陀さまがこの世界の衆生を救うために48の誓いを立てた
「四十八願」にちなみ、48のお寺にそれぞれ1本ずつ桜を植えさせたそうです。
もう300年以上も前のできごとですが、黄梅院や正永寺のしだれ桜はこのときの
四十八願の桜だといわれていて、今でも元気に美しい花を咲かせているそうです。
四十八願の桜なんて、名前を聞いただけで思わず合掌してしまいそうな素晴らしい
響き。ぜひ一度、実際に見てみたいものです。南信州では伊那の高遠桜も有名ですね。
桜の管理は、葉のそうじや虫対策など、実に手間のかかるもの。毎年美しい花をみて
もらうために、それぞれのお寺さんはたいそうご苦労されていることと思います。
ぜひ、そんなことも考えながら近所のお寺の桜に目を向けてもらうと嬉しいかな、
なんてことも思います。
意外にご近所の桜が思わぬ銘木だった、なんてこともあるかもしれませんよ。