お釈迦さまの父



6月第3日曜は父の日。
日頃なかなか素直にいえない、お父さんへの「ありがとう」を伝えるいい機会ですね。
父の日の発祥は20世紀初頭のアメリカで、その頃すでにあった母の日に対して
「ならば父の日も作ろう」という運動がおこり、定着していったそうです。
どこの世界でも、母親ファースト。母は強し…。

ある分野の開拓者や偉大な功労者のことを「◯◯界の父」などといいますが、
仏教界の父といったら誰でしょう?
お釈迦さま…は開祖ですから、父というのも微妙?

ではちょっと目線を変えて、そのお釈迦さまの父といったらどんな人物かご存知ですか?
お釈迦さまがシャカ族の王子の身分を捨てて真理追求の道に入ったのは有名なお話。
ということは、お釈迦さまの父はシャカ族の王ということになります。

お釈迦さまの父の名前は浄飯王(じょうぼんおう)、サンスクリット語ではシュッドーダナと
いいます。手塚治虫作品『ブッダ』ではスッドーダナの名前で登場していました。

シャカ族は紀元前6世紀頃、インド大陸北部のカピラヴァストゥに都をおく国の王族
として暮らしていました。一国の王族とはいいながら、シャカ族の国は小国。隣には
大国コーサラが睨みを利かせ、国は常にコーサラの勢力下におかれていました。

のちにお釈迦さまとなるゴーダマ・シッダルタは、父王のもとで聡明な王子として
成長し、スッドーダナ王は彼がやがて国を率いる王となることを期待していました。

しかし王子は俗世の苦悩を知ったことでその身分を捨て、苦行者となってしまいます。
その後、国はコーサラに攻め込まれて滅亡し、スッドーダナも王の身位を失い過酷な
人生を歩むこととなりました。

シャカ族はその後滅亡したとも、現代まで子孫が生き残って仏教の教えを伝えている
ともいわれています。

偉大なお釈迦さまの父上ですが、その人生は決して安楽なものではなかったのです。
とくに、頼りにしていた王子が一族と国を捨てて旅立ってしまったそのとき、王は
どんな気持ちだったのでしょうね。

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