ここのところ、テレビでも新聞でも藤井聡太四段を見ない日がありません。
14歳最年少でのプロデビュー、デビュー初戦から前人未到の29連勝。
それにあの、中学生とは思えないクールな受け答え。
何十年に一人の天才、というのが素人目にもよくわかります。
これからもどんな伝説を作ってくれるのか、楽しみですね。
将棋の発祥は、インドのチャトランガというボードゲームだとされていて、
そこから東西に広がり西ではチェスに、東では将棋に変化していったといわれます。
日本でも古くから将棋が楽しまれていたのですが、
さて、日本で一番古い将棋の駒はどこで発見されたでしょうか?
実は、最古の駒が出土したのは奈良県の古刹、興福寺の跡地(旧境内)なのです。
一緒に見つかった木簡の文字などから駒は11世紀のものと考えられています。
11世紀といえば平安時代。
平安時代のお坊さんも将棋に夢中になっていたんでしょうね。
また、この時に見つかったのは「酔象」という駒でした。
酔象とは聞き慣れませんが、実は将棋には現在一般的な「本将棋」のほかに、
小将棋や大将棋、天竺将棋などさまざまな種類があって、この駒も平安時代に
さかんだった将棋ではごく普通に使われるものでした。
「酔った象」なんて無敵じゃないか…という気もしますが、この駒がすごいのは、
成ると「太子」という駒にかわり、玉将と同じ動きをするというところ。
つまり王さまが、とられても、太子(王子)がいればまだ負けにならない、という
ことです!
なかなかすごいルールですね。
象が太子に成るというルールは、どこか「6本の象牙のある白象の夢をみてお釈迦様を身ごもった」と
いう摩耶夫人(お釈迦様の母)の伝説を思わせます。
仏教と将棋の意外に浅からぬ関係についてのお話でした。