鯉になったお坊さん



後半のゴールデンウィークですね。
お出かけの予定は決まっていますか?

4月も下旬になると、鯉のぼりを見かけることも多くなります。
とはいえ、少子化の影響もあるのか、東京ではめっきり数が
減っているのも現実。寂しい限りです。

なぜ五月の節句に鯉のぼりなのかといえば、有名なお話ですが
鯉は出世すると龍になる、という中国の言い伝えがもとになっています。

地上世界で長い時間を過ごした鯉は、時が来ると滝を目指し、みごとに
登りきるとその瞬間龍になって天に舞い上がっていくのだそう。。。

これにあやかって、ぜひ立派に出世して龍のような偉人を目指してほしい、
という願いがこめられたのが、鯉のぼりなんですね。

鯉になるといえば、「夢応の鯉魚」というちょっと不思議な伝説があります。
主人公は、とある絵の上手なお坊さん。

このお坊さんが湖で大好きな魚の絵を描いていると、そこに湖の主の使いだ
というものが現れ、一枚の服を差し出します。

お坊さんがそれを着ると、なんとその身は鯉の姿となり、お坊さんは
思う存分湖を泳ぎ回ります。

ところが泳ぎ疲れて腹が減り、目の前の虫に食いついたところ、それは釣り針。

釣り上げたのは知り合いの漁師で、どれだけ命乞いしても言葉は通じません。
いよいよまな板に乗せられて、首を落とされる・・・というところで
お坊さんは目を覚ましました。

不思議なこともあるものだ、とお坊さんがその漁師の家を訪ねると、
そこには今まさにおろされたばかりの鯉の切り身があったのでした。。。

このお話もおおもとは中国の古典にみられるものですが、江戸時代に
日本流にアレンジされ、明治時代には小泉八雲が再編して小説化したりしています。

一昔前には同じような内容の曲が大ヒットしましたが、魚のように自由に
泳ぎ回りたいというのは古今東西共通の願望なのかもしれませんね。

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