今年も紅白歌合戦の出場歌手が発表されました。
これも現代では、年の瀬を感じさせる立派な風物詩ですね。
ところで、歌合戦にしても運動会にしても、なぜ紅組と
白組が戦うのかといえば、有名なお話ですが、
源平合戦の折、平家が紅を旗印に、対する源氏が
白旗を掲げて戦ったことに由来するといわれています。
平氏滅亡ののちにも、戦場でよく目立つ赤い色は
武士たちに、特に強力な精鋭軍団であることを
誇示する目印として好んで使われました。
最も有名なのは、武田信玄が軍勢の武具を
赤一色に統一させた「武田の赤備え」。
武田氏滅亡ののちには、その旧臣を多く召抱えた
井伊家が「井伊の赤備え」を整えたり、武田家家臣
だった真田一族が「真田の赤備え」をつくったりして
信玄の武名を継承しようとしています。
パワーがあるので、「赤ちゃん」とも言われますね。
仏教では、赤、青、白、黒、黄の五色を世界の
四方と中心をあらわす色としています。
赤は南、白は西に配される色で、それぞれ仏様の
「世界が平等であることを知る知恵」と「この世の
全てを正しく見極める知恵」のシンボルカラーでも
あります。
また赤といえば、ダルマさんのように真っ赤な
衣を身にまとったお坊さんをみたことのある方も
多いのではないでしょうか。
宗派にもよりますが、仏教では赤(緋色)は高貴な
色とされ、緋の袈裟は高位の僧職にのみ着ることが
許される特別なものになっています。
たとえば真言宗豊山派では、緋色は最高位の
大僧正だけが着用する色で、以下、紫、萌黄、
黄、浅葱色という順で着られる階級(僧階といいます)
が定められています。