過去に例のない二度の震度7、二週間で1000回を超える余震、
広範囲に連動する震源。熊本地震はあらためて、私たちが
地震大国に暮らしているのだという事実を突きつけてきました。
被災された方々が1日も早く元の生活に戻れるよう、心より祈念いたします。
この地震ではまた、熊本城をはじめとする重要な歴史的建造物の
被害の甚大さも大きく報道されています。
社伝では2000年ともいう歴史を誇る阿蘇神社では、
日本三大楼門にも数えられた壮麗な楼門が倒壊してしまいました。
最初の揺れには耐えたものの、二度目に襲った震度7の本震に
耐え切れずに潰れるように倒れてしまったということです。
不幸中の幸いといってよいのか、倒壊した楼門を検査した
ところ再使用できる部材がかなり残っており、再建は可能だとのこと。
現在、各宗教、各宗派が現地の被災状況をまとめたプレスを
発表していますが、熊本県内、近県で被災した神社、寺院、
教会等の合計は数百単位、またはそれ以上の数になるかもしれません。
非常時に、避難の中核、地域の方々の拠点、また心の依りどころ
として機能するのも、広い敷地と長い歴史を持った寺社の役割で
あると思いますが、地震では寺社もまた被災してしまうのです。
金剛院では、帰宅困難者の備蓄庫や消防の待機所などとして
豊島区や東京消防庁と協定を結び有事にも備えています。
しかし、最後は人と人が寄り添えるコミュニティが必要です。
いま自分たちには何ができるのか。
そしてもし、自分自身が地震の被害を受ける立場になったとき、
何が可能で、何が困難なのか。
冷静にシミュレーションしてみることが重要だと、再確認しています。
最後にあらためて、被災地の迅速な復旧と、1日も早い復興を心よりお祈りいたします。