タイの仏教映画事情


先日、ドラマや映画でお坊さんブームが到来?という
お話しをしましたが、仏教大国のタイでは僧侶が登場
する映画に関連して大騒動が起きていたようです。

騒動の中心になったのは「アーバット」という映画。

主人公は、あまりの不良ぶりから親に無理やり寺に
入れられてしまった青年で、結局僧侶になっても
悪行やむことなく、それどころか僧侶の身でありながら
少女と恋に落ちてしまい…というストーリーだそうです。

でもジャンルとしてはホラー映画になるそうで、公開され
ている予告編にも不気味な怪物のようなものが映って
いました。

日本人の感覚からするとかなり不思議な映画…。

ともかく、敬虔な仏教徒の多いタイでは僧侶の不行跡を
描いたことが「仏教への冒涜だ」と批判を呼び、当局は
いったん公開を不許可とし、問題だと指摘されたシーンを
修正させることにしました。

すると今度は逆にこの措置が「表現の自由への挑戦だ」と
批判を巻き起こすことに。

どちらも人間の良心や信仰、思想信条の問題に深く関わる
ことなので、簡単にどちらが良い悪いとは言えない難しい
問題だと思います。

昔から「破戒僧」という言葉があるくらいですし、それこそ
お釈迦様の時代からダイバダッタのような存在はいたの
ですから、フィクションの映画に描いただけで規制という
のは行き過ぎでは…とも思いますが、それぞれのお国事情
もあるので一概には言えませんね。

結局映画は、修正を加えて公開されましたが、一連の騒動の
ために話題になって観客動員は上々だとか。

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