なぜ仏様は正座をしないのか?


昔から言われていることが現在では否定されている
ことって結構ありますよね。

例えば、暗いところで本を読むと目が悪くなる・・・とか、
お酒を飲む前に牛乳を飲むと悪酔いしない・・・など。

これらは現在では、間違っていることが証明されています。

誰もが聞いたことがあるのが「正座をすると足が短くなる」
ということ・・・。
これも現在では「間違った常識」とされています。

私たち僧侶は、正座が基本です。肩身が狭い思いをして
きましたが、むしろ正座は正しい骨格形成に役立つと
見直されています。

ところで正座している仏像を見たことはありますか?
おそらくほとんどの人は見たことがないのではないでしょうか。

正座している仏像はほとんどありませんし、数少ない
正座の仏像も日本国内に限られています。

実は、正座という概念が生まれたのは意外と最近の
ことなのです。正座の座り方に近いものは、古墳から
出土した埴輪などにも見られ、古代からあったことが
わかっていますが、現在の正座とは異なるもののようです。

また、袴や十二単などの昔の装束は、上半身に比べ
下半身が広がる形状をしており、基本的にあぐらで
座るのに適しているように作られています。

現在と同様の正座の座り方が生まれたのは江戸時代で、
参勤交代で各大名が、将軍に向かって正座することが
定められましたが、「正座」という名称は見られなく、
「かしこまる」や「つくばう」などと呼ばれていました。

「正座」という名称となり、正しい座り方として認識される
ようになったのは、明治時代以降だと言われています。

そのため、仏像には正座しているものが極端に少ないのです。
また日常的に正座をする文化は日本にしかなく、世界的に
見ても珍しい文化のようですね。

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