巡礼をするときの衣装といえば、白い笈摺(おいずる)姿が
定番中の定番です。
四国や観音霊場では見かけますが、和尚の札所であるご府内とかでは
滅多に見る事はありません。
今年の夏頃に若い人たちの感性を生かした、斬新な巡礼服ができたという
報道がありました。
このちょっと珍しい取り組みをしているのは、秩父三十四観音霊場を
抱える埼玉県です。
その魅力を若い人たちにも知ってもらおうと、県内高校の服飾関係学科に
通う生徒さんからデザインを募集し、164点の応募作のうち優秀だった
4点の試作品がお披露目されました。
詩作された4点は、地元の花をあしらったり、華やかな色遣いを強調したりと、
若者らしい感覚がいっぱいです。名産の「秩父銘仙」を使ったものもあります。
いずれも、白無地の笈摺とは印象がずいぶん違いますね・・・。
地元では巡礼者らへのアンケートや試験レンタルなどを通じ、製品化を
探っていくそうですが、その後どうなったのか・・・。
最近では各地の霊場で若者の巡礼が増えているので、この巡礼服が
登場すると、各地で華やかな衣装をまといながらお寺を回る人たちの姿が
見られるようになるかも・・・。
伝統的な白無地の笈摺との共存、若い人たちに「巡礼の心」を伝える役割も
また重要なのかもしれませんね。