原点にかえる



高野山真言宗の総本山金剛峯寺が、世界遺産となっている
高野山の霊木で建てた「高野霊木之家」を公開しています。

お寺の新しい建物・・・? そうではありません。

金剛峯寺のお寺には、森林管理を行っている山林部という
部署があります。

山林部では、弘法大師空海の教えに基づいて、高野山の森林を
守り、育てているのです。

その一環として、森林保全のために出る間伐材を、一般の
住宅建築用に提供するプロジェクトを始めました。

高野霊木之家は、その住宅モデルハウスというわけです。

2階建てで、床の間には、高野山座主の書による「共利群生」
(きょうりぐんじょう)という掛け軸が飾られています。

命あるものが共に生き、生かし合うという意味です。

これが、弘法大師空海の教えです。

経済産業省も循環型の社会をめざして、「3R」を推奨しています。
Reduce(廃棄物を出さない)、Reuse(再使用する)、Recycle(再資源化する)の
略称です。

廃棄物をできるだけ出さない社会をつくるための基本的な考え方で、
弘法大師空海は、1200年前にその理念を説いていたのです。

混迷する日本社会の中で、改革やバブルに夢をみてきましたが
それが、もしも失敗したときに戻るところがないといけません。

それは先人の知恵であったり、伝統文化であったり、その原点を
忘れてはいけません。

弘法大師空海も「還源思」といい、源に還って常に思うということを
心がけて新しいものを取り入れてこられたのです。

そこに、これからのヒントがありますね!!

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原点にかえる への2件のフィードバック

  1. みさき のコメント:

    エコ
    環境考えないとね~
    木の家は落ち着きますねなぜか…。
    私も将来選べるなら小屋でも木の家に住みたいですね♪

  2. 和尚 のコメント:

    みさきさま
    無機質な感じの建物も好きですが、やはり
    木の温もり感は、ホッとしますね。
    山門の木材も250年前のものですが、しっかり
    呼吸していますからね・・・木は生きているんですね!

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