高野山(こうやさん)は、平安時代に弘法大師さまが
開かれた真言宗の聖地です。
この高野山の奥の院には、弘法大師さまが今でも
「生きて」そこにおられます。
ウソ~~と思われるかもしれませんが、この場所は
本当にそう思わせる「信仰の力」というか「場の力」が
あります。
「入定」(にゅうじょう)と言って、亡くなったのでは
なく深い禅定に入られたのが、今から1200年ほど
前の3月21日のことでした。
ちょうど旧暦で計算すると5月4日が、その日にあたるので、
お参りしてきたというわけです。
また、前日の5月3日は、諸堂が開堂され各尊の行法が修され、
弘法大師さまを偲ぶ法会が行われます。
真如親王が書かれた弘法大師さまの「御影」(みえ)という
肖像が、お祀りしてある御影堂の内拝が、この日だけ許されます。
御影堂は、限られた者しか中に入ることが許されない聖域です。
お大師さまに近づくことができる、またとない機会でもあります。
普段は静かな御影堂前も多くの信者さんで一杯です。花と灯明で
飾られた御影堂は、幻想的で往事の思いも感じられます。
大塔では、弘法大師さまの御宝号「南無大師遍照金剛」が、お参りの
方々と共に何百万回と唱えられています。
和尚もこの日1万回くらいはお唱えしたかもしれません。
「同行二人」(どうぎょうににん)・・・いつも弘法大師さまと
一緒である・・・そんな思いを強く感じることが出来る時間でも
ありました。