東京工芸大学・写大ギャラリーで行われていた、
「よみがえる土門拳『古寺巡礼』新プリント公開」を
見てきました。
最近の方は、土門拳さんのことを知らない人の方が
多いかもしれません。
土門さんは、昭和の時代を通じて活躍した日本を代表する
写真家の一人で、リアリズムを重視した作風が特徴です。
戦後になって全国各地のお寺の写真を手掛けるようになり、
その集大成である写真集『古寺巡礼』全5巻は、土門さんの
代表作として知られています。
今年は、土門さんの生誕100周年・没後20年の節目の年にも
当たっているのだとか・・・。
今回の展示は、東京工芸大が所蔵する土門さんの作品1200点の
中から、写真集『古寺巡礼』に収録されている写真およそ50点を
選び、新たにプリントし直して展示したものです。
法隆寺(奈良)のお釈迦さまや吉祥天、中尊寺(岩手)の
観音菩薩半伽像・・・
慈悲に満ちたその表情に思わず胸を打たれます。
静かな仏さまのお姿は、「生きることの大切さ」を私たちに
訴えかけているような気もします。
仏さまが伝えようとしている内面まで、カメラに収めて表現して
しまう・・・土門さんの実力を、改めて感じた写真展でした。