帽子は帽子でも・・・



高野山の中には117の寺院が存在します。
その中の半分くらいが宿坊という宿泊施設を
もっています。

その中でも有名な総持院さんがお宿です。

平安時代の創建で別各本山として、肥後国(現在の熊本県)の
細川家をはじめとする各大名の菩提寺として信仰を集めたお寺です。

新しい宿坊はホテルなみで、精進料理もフレンチ風の味わいや
器にも配慮が行き届いた、これまた別格でありました。

驚いたことに、朝のおつとめの後で御住職様の法話・・・。

振り向かれた時に、手には帽子をもっておられるでは
ありませんか・・・。

帽子といってもニット帽ではありませんよ・・・!

衣のひとつで、首からかけるマフラーのような輪の形をして
います。寒いときには、それを首にかけて被着します。

夏なのに何故・・・?

それは、極寒の高野山でお弟子さんをお見送りしていた
弘法大師さまが、道中の寒さを思いやり、自らの衣の袖を
引きちぎり、それを弟子の頭にかけたのです。

ですから形が輪のように丸くなっていて、お坊さんが着ている
衣の袖くらいの長さがあるのです。

つまり、我々真言宗の僧侶にとって、その帽子は、弘法大師さまの
御衣を頂いたことと同じであり、さらには弘法大師さまそのもので
あるわけです。

ここにも同行二人(どうぎょうににん)の信仰があるのですね。

伊勢神宮にもお参りして、ちょっとハードでしたが、皆なさん
元気で、御利益を頂戴しました。

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