お経が終わって振り向くと、お焼香の台の上に白いものが
のっています。
これって何か知っていますか?
「おひねり」て言うんですよ!!
昔は必ずといっていいほど置いてあったものですが、最近では
まったくみることがなくなってしまいました。
「おひねり」は、チリ紙(鼻紙とも言います)に小銭を包んだ
ものです。昔はティシュペーパーなんて言う柔らかい紙で洒落た
ものはありません。
かなりザラザラした固い紙に小銭を包み巾着みたいにして神仏に
供えたものでした。
それが転じて、ごひいきの芸人さんが演ずる舞台に投げられる
ようになったのです。
ちょうどバトミントンの玉のように、それはそれは花が舞うように
美しく散り、舞台に「花を添える」るわけです。
中身の金額ではなくて、数が多ければ多いほど、演者に魅力がある証拠で
何よりの「力」となったわけです。
それがまた、お坊さんの世界に戻ってきて、テレビやネットのない
時代には、お坊さんのお説教が楽しみの一つでした。
情報を知る機会でもあったようで、落語と人気を二分する時代で
あったとか・・・。
ところが、お坊さんもさまざまで、人気のあるお坊さん、そうでない方が
いたわけで・・・
お説教が終わると、別のお坊さんが「おひねり」をもらいに
ザルをもって堂内を歩き回るのです。
いわば、お坊さんへのチップというわけです。
昔の話ですが、ちょっとタイムスリップしてみたい感じです。