戦没者供養その1 「私は死ねない」



30度を超える南の島からの帰国で、この雪の寒さはこたえます。

南の島とは、トラック諸島と言われグアムから飛行機で1時間30分、
ミクロネシア連邦の中に、周囲200キロという世界最大の環礁内に
ある島です。

現在はチューク島といわれ、その中には大小100以上の島々で
構成されています。

ここは、その昔、日本海軍の拠点にあたるところで戦艦大和を
始め武蔵なども寄港したところです。

なぜ和尚が、この島に来たかというと・・・

「じいィは、どこにいるの・・・?」
可愛い玄孫さんからの、そんな一言で始まった出来事でした。

実は90歳になるおばあちゃんの、ご主人は、戦争でこの
チューク島で亡くなってしまったのです。愛する3人の子供と
奥さんを残してです。

激動の時代にあって、女性一人で残された子どもたちを育てることは
どんなに大変であったことか、はかりしれません。

自分が生きていることさえ意味もなく、家族で死のうと思ったことも
何回あったことか・・・。

「なぜ自分だけが生きているのか?」

長い間、そんな自問自答の毎日だったといいます。

あるとき誰よりも可愛い玄孫さんから「じいィは、どこにいるの・・・?」
という一言で、おばあちゃんは強い思いを持ちました。

「主人の供養を、是非とも、このチューク島で和尚さんにして
もらわないと、私は死ねない・・・」

それは、今まで自分がなぜ生きてきたのか、何のために生きてきたのか、
その答えでもありました。

「戦没者の慰霊」という大きな役目を背負って、チューク島に降り立った
のは、飛行機の都合で夜中の1時をこえていました。

ダイバーにとっては、あこがれの島でもあるので施設も充分かと
思っていたら、空港のローカルさにビックリ!!

ピックアップに、この方をお願いしてホテルまで行きましたが、
5分ほどで着きそうな道のりも、電気もない穴ぼこだらけ道を
30分ほどかかって到着。
http://www.trukoceanservice.com/

ちょっと不安になりながら午前3時に就寝の第1日でした。

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