主人公である光源氏の恋愛や人間関係が綴られている
『源氏物語』が登場してから今年が1000年目に
あたります。
光源氏という絶世の美男子で才能にあふれた彼は、
多くの女性に囲まれ、そこに登場する人たちが
経験する人生の喜憂・・・。
それは当時のベストセラーエッセイに他ならず、
現代の苦楽にも通じるところがあるのかもしれません。
物語の作者・紫式部は400字の原稿用紙で4000枚
近い原稿を書くにあたって、いつも信心している石山寺の
観音さま前におすがりし、そこに何日間も籠もって祈り
続けたといいます。
あるとき琵琶湖の湖面に美しく照り映る月の光を見て、
「これだ!!」と心が動き、目の前にあったお経の本に
「今宵は十五夜なりけり・・・」と、書き始めたと言います。
この世界最古の物語は、現代語訳や18カ国にも翻訳されて、
1000年たった今でも世界中の人が読んでいるといいます。
しかし、残念ながら紫式部の原本はありませんが、後に書き
続けられた写本を鑑賞していると、女性独特の美しい流れる
ような仮名文字と繊細な源氏絵の中から、1000年の時を越えた
王朝のロマンが聞こえてきそうです。
また、読み継がれる歴史の中で、さまざまな美術品を生み、
特に「初音の調度」にはため息が出てしまいます。
徳川三代将軍家光の長女千代丸が、わずか3才の時に尾張徳川家
二代将軍光友と婚姻した時に持参した衣装箱。
源氏物語の一部を蒔絵に施した日本の伝統文化のすばらしさを
見るようでした。
ぜひどうぞ
◆展覧会名
『源氏物語の1000年 -あこがれの王朝ロマン-』
◆開催期間
平成20年8月30日(土)~11月3日(月・祝)
◆開催会場
横浜美術館
http://genji1000.jp/index.html
宇治十帖
先日、京都に行ったとき、宇治の紫式部
「源氏物語ミュージアム」に行って来ました。
匂宮と薫君などのお人形が、飾られていました。
宇治橋の所には、夢の浮橋の碑もありました。
来年は、東京宝塚劇場の「夢の浮橋」を見に
行きますので、今から
ワクワクしています。