富士山に関する伝説の一つに「日本一の山と湖」という
話をガイドさんから聞きました。
あるとき神様たちが集まって国造りの相談をしていて、
日本一の高い山と日本一大きな湖を造ることになったそうです。
そこで、日本一高い山を造るところを駿河の国と決め、
その山の土を近江国から運ぶことになりました。
しかし山は、一夜のうちに造らなければいけないので、
力持ちの神様が近江国の土を掘って運び、駿河の国に
落としました。
明け方近くになって、あと、もうちょっと最後の一杯を
掘ったところで、ニワトリが鳴いてしまいました。
神様はがっかりして土をこぼしてしまい、そのために
富士山の頂上は、未完成で平らになってしまったそうです。
土を掘った跡には、日本一大きな琵琶湖ができ、そして最後に
こぼした土でできたのが、琵琶湖近くの三上山(近江富士)だと
言うのです。
富士山頂には、不老長寿の神聖な霊泉としてあがめられてきた
「金明水」という御水があります。
溶けた雪が岩から染み出して浅い井戸に溜まったものです。
でもそれは、神様が叶わなかった願いをはたすために、琵琶湖の
水を富士山に送った「通い水」だという話です。
神様もおしゃれですね