私たち僧侶の持ち物の一つである
扇子に高僧からご染筆を頂くことがあります。
それが励みとなり、少しでも高僧に近づける
気がするからです。
和尚が、まだ若いころに真言宗豊山派の
管長猊下であられた築山定誉大僧正から
頂いたご染筆です。
竹の絵とともに「清風自来」と書いてあります。
「竹」は、まっすぐにのびて、しっかりと節があり、
そこに吹く清くさわやかな風は、自らが悩み考えて
勉強して手に入れるものである・・・。
そんなお心遣いだったのでしょうか?
気骨があり厳しい眼光の中で、その反面、笑顔がとても
すばらしい方でした。
いつも、この扇子を見ると当時のなつかしい思い出が
よみがえってきます。
僧侶としての大切なことを、自らのお姿で教えて頂いた
方でもありました。