いま、100%に近い人が病院で死を迎える。
しかも、お医者さんは家族に余命○○日と死の
告知をするようになった。
あるいは、明らかに延命治療であることが
素人にも分かり、死がいずれくることを悟る。
事故死は別にして、今の方々は家族の死を
予期し、その覚悟が、病院治療の数ヶ月の
間にできていてから葬儀を迎える。
つまり、悲しみの感情処理が葬儀の前に行われて
しまっているのだ。
もちろん、お別れの悲しみや弔問にこられた方の
お顔を見て、いろいろな思いに涙することも
たくさんある。
そして葬儀のあとには、多くの人が現実的な感情を
体験する。
淋しさ、孤独、不安、むなしさ、怒り、憎しみ、愛
そして悲しみ・・・。
回りの方の「頑張ってよ!!」という励ましの言葉も
素直に受け止められない自分・・・。
病院で言葉を交わさなくても、「いま、確かに生きて
いる」、「命」を「生」を感じられた頃のなつかしさ・・・。
人の死から、私たちは多くのことを感じ学ぶ。
涙の中から、私たちは多くのことを知る。
お経を聞きながら葬儀の中で、いままでに
「気づかない」大切な何かを・・・。