先輩のお坊さんが、怒っていました。
最近の葬儀屋さんは、葬儀の時に「四華花」(しかばな)を
飾らないと・・・。
祭壇に「白や銀色の紙で出来た花」で、葬儀の仕事に携わって
いる方ならご存じのはずですが、そのことも知らない葬儀屋さん
だったとか・・・。
確かに最近は、花祭壇といって生花で祭壇を飾るので四華花は
邪魔なのかもしれません。
お釈迦様が亡くなられたとき、沙羅双樹の花が悲しみで散り
その散った花で御身を包まれたとか・・・。
そんな故事から、同じような場面を模して祭壇に飾るように
なったものです。
昨日のブログのコメントに田楽さんがお書きになられていた
800年前の京都を舞台に繰り広げられた、栄枯盛衰の物語
「平家物語」の冒頭の一説。
祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
娑羅双樹の花の色・・・
朝に咲いて夕方には落ちてしまう、はかない花・・・沙羅双樹。
普通は木についた花を眺めますが、落ちた花も中にも、
はかない人の命・・・「諸行無常」の教えを感じる感性は
大切にしたいとものです。