奈良時代は、人々が入りやすい都の平地にお寺を
建てました。
しかし、平安時代になって弘法大師の頃になると山の中に
お寺を建て、そこで修行をするようになったのです。
山岳信仰の影響もあり、山が霊的な場所と考えられて
いたためです。
そのために、その山の名前をとって寺名に「○○山」と
いう習慣があり、お寺には山号という呼び方があります。
高野山・・金剛峯寺とか成田山・・新勝寺、和尚の寺も
蓮華山・・金剛院というような名前がつけられるようになり、
寺院の門を「山門」と呼ぶようになったそうです。
和尚の寺の山門は、「薬医門」という珍しい形です。
中には「山門」を『三門』と書く場合もあって、これは
貪瞋痴(とんじんち)つまり貪(むさぼり)瞋(いかり)
痴(おろかさ)の煩悩を、解脱する境界の門という意味が
あり、「山門」と分けて考えられています。
ですから、山門とは別に三門を作るお寺もあり、三門には
わざと扉を設けないで開放している形もあります。
これは、どんな人も仏門に入る事を拒まない仏さまの慈悲心を
表していると言われています。