純金?



仏具といわれるものには金属加工をしたものが
随分とあります。燈明台、花立て、香炉や写真の
「おりん」(「打ち鳴らし」とも言います)も金属の
加工でできています。

一口に金属加工と言っても、金属の配合種類も
さまざで、その金属を溶かして入れ物に流し込む
「鋳造」という方法。

金属の板を折り曲げて作る「プレス」、あるいは
叩いてのばしながら形を成型していく鎚起など、
用途で工法がちがいます。

ちなみに写真の「おりん」は、銅と亜鉛の黄銅合金で
その黄銅板を焼きなまし(高温にて加熱し金属を柔ら
かくすること)、自然に常温になるまで放置したのちに、
金床の上で、多種多様の鎚を用いて、柔らかくなった
金属を叩きながら延ばし、造形を進めていきます。

ですから、この「おりん」は1枚・・2枚と数えます。

このように1枚の金属板をたたくことを鎚起(ついき)と
いいますが、どの部分をどのくらい薄くしていくかに
よって「おりん」の音色が違ってきます。

しかも、そのあとには伝統的な着色技術も多種あって、
写真の「おりん」は、油分を落とし、大根の下ろし汁で
洗って緑青等の混合液で煮たてると、深みのある緑黄色を
発します。

塗料等は一切使用せずに、金属の持ち味を最大限に生かして
いるところに特徴があります。

一口に仏具といっても、長年の職人さんの智慧と経験、
そして、仏さまへの念をどれだけ、こめられるかによって
完成度がかなり違うのです。

最近では、純金100%の何十万円もする「おりん」が販売
されていますが、音色は決して良くありません。

なぜならば、「金」は金属としての種類や製法が「おりん」
には、むかないからです。

ステイタスを求める方には良いかもしれませんが・・・・?

ちなみに鳴らし方は、こんな感じで内側から外へ向けて
たたきます。チ~~ン チ~~ンと2回鳴らしてね!!

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