こちらの不動明王は、春日張り子職人の五十嵐さんの
作品です。
張子は、木型の原型のまわりに、紙を幾重にも
張りつけて天日で乾燥した後に、蝉の抜け殻のように、
この張子を切り割って原型を取り出します。
そして、張子を張り合わせて胡粉と膠(にかわ)で固め、
彩色したものをいいます。
奈良時代の仏像製作の中には、乾漆の技法が張子細工と
同じであったといいます。
五十嵐さんは、後継者のいない張り子伝統の復活と創作に
熱中し、埼玉県の春日市で独自の色彩をモチーフに
「春日張り子」として復活をさせたのです。
招き猫や犬張子、ダルマ、お多福等の定番ものから、
ネコダス?ワールドカップ猫、眼鏡とマフラーをした
ペ・ヨンニャン猫などの限定レアものや珍しい仏像など
の創作的なものまで幅広く、約700種にも及びます。
そんな父の姿をマネして二人の息子さんが、日本の伝統
張り子職人として活躍していることも、何ともうれしい
限りです。