普賢菩薩



連休明けの今日は、お天気も良く社会も動いているので
電話やお客さんが多くて超忙しかったです。

コメントのお答えが長くなってしまったので・・・。

普賢菩薩(ふげんぼさつ)は、文殊菩薩(もんじゅ)の「智恵」に
対して「慈悲」の仏といわれ、文殊菩薩と共に釈迦如来の二脇士と
され、象に乗っているのが基本です。

これは、白象が天から降りてきて、お釈迦様のお母さんである
摩耶夫人の右の脇から体内に入り、その純白の象は、外から透き
通って見え輝いていたとか。そして懐妊・・・。

普賢菩薩は、そんな母のような見返りを望まない「慈悲」を
象徴するための仏としての働き。
「普賢延命菩薩」というように「延命の徳」がある仏としての働き。
そして密教的な仏としての働きがあるのです。

普賢菩薩の真言『オンサンマヤサトバン』は、真言密教の
三昧耶戒(さんまやかい)の悟りを、自らの内に体得しよう
という誓いを表明したものです。

三昧耶戒は、真言密教独特の戒律で「仏の教えを守り、自分と
仏が常に一体であると感じながら、その与えられた命を大切に
して、清らかな慈悲心を持って、自らが菩薩として人々を救う
という行い励みなさい」という戒律なのです。

仏を信じる心。最善の道を選ぼうとする心。人々を救おうと
する心。仏になろうとする心。そんな心が強く強くまとまった
ものが、「三昧耶の心」であると弘法大師さまも言っておられます。

戒律というと「守らなければいけない」「苦しい」というふうに
考えてしまいますが、仏の規則を無理矢理受け止めるのでは
なくて、むしろ自分の規則として受け止め、積極的に自発的に
行動をとるのが三昧耶戒の特徴です。

仏さまとご縁を結ぶ「結縁灌頂」に引入される時には、「香像」と
いう像の姿をまたがされるのも、普賢菩薩さまのお姿を現した
ものです。

その時に唱えられる「普賢三昧耶印明」も普賢菩薩の誓いの
真言と同じであり、密教での普賢菩薩は、修行者の象徴でも
あり、また密教の教主である大日如来の化身・金剛薩埵の
お姿でもあるのです。

写真の普賢菩薩は、平安時代の頃の国宝・東京国立博物館の所蔵品。
7月3日から1ヶ月間、国宝館でお参りできます。

カテゴリー: 金剛院和尚のブツブツ雑記 パーマリンク

普賢菩薩 への4件のフィードバック

  1. ゆが のコメント:

    慈悲の心
    とても勉強させていただきました。(感激!)

    大日如来の「慈悲」の顕れが集約されているからなのですね。

    改めて、仏前勤行でのお唱えも気持ちが入っていけそうでご教授下さったOsyouさん、感謝感謝です。

    5月3日の日、高野山の結縁灌頂に行って参りました。阿息観も体験。とても呼吸法が気持ち良かったです。身体が軽くなりますね。ストレス解消にも合いそうです。

    「慈悲」のこころ。いつもそういう優しい愛と強く賢い智慧が備わっていたら・・とおもいます。

    今の私にはそれがまだまだ足りません。

    せめて周りの人たちには感謝し、愛する気持ちでいたい。

    灌頂を受けたあくる日、小さな聖観音様と出会いました。前日捜し求めていてなかなか見つからなかったのに、お店の棚の片隅にあっさりと見つけたのです。

    観音経だけでも、と経典を買い求めた後すぐでした。

    偶然だとおもうのですが、ご縁があったのが嬉しく、勝尾寺で開眼供養していただきました。

    仏は自らの内にあり、とは聞いたことがあるけれどやはり心のより所、ていうんでしょうかね・・

    何だか頼もしい感じがして勇気が湧いてくるのです。

  2. 和尚 のコメント:

    ゆがさま
    「あっさりと見つけた」というのは、

    ご縁ですね。

    仏ごとだけに限らず、こういうことって、よく

    あることで、そこに大切な「何か」?を

    感じられるか・・・感じないかは・・・

    人生にとって大きな分かれ目になるように

    思います

  3. ゆが のコメント:

    ちなみに
    勝尾寺のご本尊は、「十一面観音様」なのです・・

    長谷寺さんもそうですし、金剛院さんもそうですよね。

    しかし勝尾寺の方は、本堂に行っても見る事が出来ず、特別のときだけの御開帳だそう。

    う~ん・拝観したかった・・・

  4. 和尚 のコメント:

    ゆがさま
    勝尾寺さんは西国のお寺さんですよね。

    また、御開帳の時にお参りされたら・・・。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください