隠し味



お寺の年回法要でご供養してきました。
在家の方の法事と変わりはありませんが、お寺の法事は
お参りの方の人数が多いことと、ご供養するお坊さんも
8人と多めです。

真言宗では、『般若心経』のように棒読みにするお経も
ありますが、一字一句に節がついている声明(しょうみょう)を
唱えることが多いです。

素読みにしてしまえば30秒で終わるものを、声明となれば
10分かかるものもあります。心というものが目に見えない
わけですから、「仏を念ずる」という気持ちを、行為に表すには、
より長く唱えるということによって、その気持ちを表現できる
からです。

8人のお坊さんの声が揃うと、かなりの迫力があります。
特別な指揮者がいなくても、そのお経がピッタリと合うのは、
やはりお互いを重んじる「和」の心しかありません。

いつも経頭といって、お経の最初のフレーズ唱える方がいます。
その方の声の高さ、テンポに合わさなければなりません。
いつも、その経頭の方のお経は、実にすばらしいので何が
違うのかと耳をダンボにして聞いていました。

お経を特別に練習し研究している方は、大変上手いのですが、
それ以外に「隠し味」がないと、すばらしいお経には聞こえない
から不思議です。

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