もうすぐお彼岸ですね。
ご先祖のお墓にお参りするのに併せて、どこかに出かける予定を
立てている人も多いのではないでしょうか。
実は江戸時代にも、お彼岸の時期限定で阿弥陀如来を祀る6つのお寺を
回りながら周辺の観光も楽しむ、「江戸六阿弥陀巡り」が人気になって
いました。
この江戸六阿弥陀、一説によると現在の東京都北部を支配していた
豪族が、非業の死を遂げた娘の供養のためにと同じ杉の霊木から
六体の阿弥陀如来像を彫らせ、ゆかりのあるお寺に祀ったのが
始まりとされています。
いつの間にか、健康・長寿や家内安全などを願って六体の阿弥陀如来像に
お参りする信仰行事となっていき、江戸時代にはすっかり定着していた
ようです。
六阿弥陀巡りの様子は、『江戸名所図会』や十返舎一九の著作にも
登場しています。
マニアックな巡礼ではなくて、庶民に広く親しまれた行事だったのですね。
六阿弥陀巡りのルートには不忍池や飛鳥山などの観光・娯楽スポットもあって、
信仰とレジャーを兼ねた行事だったようです。
「六阿弥陀 嫁の噂の捨て所」という川柳もあって、庶民が心身を
リフレッシュする場になっていたことがうかがえます。
巡礼コースは、1番の西福寺(現在の東京都北区)から6番の常光寺(江東区)
まで、およそ6里(24キロ)だったといわれています。
「六つに出て 六つに帰るを 六阿弥陀」と川柳にも詠まれているように、
一日でお参りしたのだとか。当時の人たちは健脚だったんですね~~。
江戸六阿弥陀巡りの寺院一覧
http://www.tesshow.jp/edo6amida_index.shtml