今年は戌年。もう1月も終わりますね。
仏教で犬というと、かの有名な一休さんのエピソードで、こんなものが
ありました。
あるとき、一休さんは旅の途中で、修行を積んだ山伏とたまたま同行する
ことになったそうです。
ふたりで道を進んでいると、むこうのほうから、ワンワンと狂ったように
吠えたてる犬がやってきました。
山伏は言います。
「修行を積んだ俺の法力であの犬を黙らせてみせよう」
そして印を結び一心に祈祷を始めますが、犬は相変わらず激しく
吠え掛かるのをやめません。
そんな山伏をみて、一休さんがいいます。
「どれ、私がやってみよう~」
一休さんはどうしたかというと…。
なんと、包みから握り飯を取り出して、犬にあげたそうです。
当然、犬はあっという間に吠えるのをやめ、尻尾を降り、頭を
さげてそのおにぎりを食べはじめました。
まさに一休さん、というおはなしですが、笑い話におわらない
深い含蓄がありますね。