酉年ということで、今回は仏教のおしえや経典の
なかに登場する珍しい鳥を紹介したいと思います。
まずは「迦陵頻伽(かりょうびんが)」。
鳥の体に人間の女性の頭部がくっついているという、
ヴィジュアル的には最も不思議(不気味?)な鳥ですが、
その声はとても美しいとされ「妙音鳥」などとも呼ばれます。
迦陵頻伽は極楽浄土に住んでいて、その美しい声で
仏法を説くといわれるとてもおめでたい鳥です。
迦陵頻伽とともに極楽に住んでいるのが「共命鳥」。
ぐみょうちょうと読みますが、これも変わったビジュアルで、
ひとつの体からふたつの頭が生えているという双頭の鳥。
頭がふたつですから、お互いがいがみ合っていては
生きていくことができません。ペアの頭が腹立たしいからと
いって傷つけるようなことをすると、自分の痛みとなって
返ってきてしまうのです。
まさに相手と命を共にする鳥ということですが、実は人間も
これと同じ。。。
共命鳥には、人は自分だけでは生きてはいけないもの
だという教えが込められているのです。
仏教を守護する神々である天部にも、鳥の神「迦楼羅天(かるらてん)」が
います。 迦陵頻伽と反対に、体は人間、顔が鳥というお姿で、
日本では興福寺に伝わる像などが有名です。
迦楼羅は、もともとインド神話の巨鳥ガルーダが仏教に
取り入れられたもので、その大きさは途方もなく、主食にして
いるのはなんと龍!
また毒ヘビや煩悩も食べてくれるということで、魔除けの神様
として信仰を集めています。
お寺の本堂などで鳥の意匠を見かけたら、あれはなんの鳥だろう?
と注目してみてくださいね。