ヘルマンヘッセの仏教



ヘルマン・ヘッセという作家をご存知ですか?

実際に読んだことはなくても、有名なドイツの文豪ですし、
名前は聞いたことある、という人も多いかもしれません。

教科書にも載っている代表作「車輪の下」は特に有名です。

手塚治虫原作の「ブッダ」が映画化されましたが、その
ヘルマン・ヘッセが、お釈迦様の若き日をえがいた小説を
書いてたことをご存知でしょうか?

「シッダールタ」という作品です。

ドイツ人が、仏教を題材の小説、しかも、あのヘルマン・ヘッセが
描いたとなると二重の驚きです。

内容はフィクションだそうですが、キリスト教圏の人が
仏教をどのように見ているのか興味深いものがあります。

お釈迦様の名前「ゴータマ・シッダルタ」からとっている
ものです。

この小説では、お釈迦様とは別人という設定のようですが、
他に「仏陀」という人物が登場して、これがお釈迦様という
ことになるようです。

そんな小説がドイツ人によって書かれただけでも驚きですが、
なんと1972年に映画化もされていたそうです。

欧米人の仏教映画といえば、坂本龍一が音楽を担当した
ベルナルド・ベルトルッチ監督の「リトル・ブッダ」が
有名ですが、その20年も前に仏教映画があったのです。

若くして亡くなった俳優のリバー・フェニックスの「リバー」は、
この「シッダールタ」からインスパイアされて両親が名付け
たそうです。

ガンジスの流れをイメージしたのでしょうね。

欧米人ならずとも、インドのイメージは、やはりガンジスの
悠久なる流れが第一に来ます。

さてこの「シッダールタ」ですが、内容はとても真面目に、
仏教を元に「真理」に向かい合っている印象を受けます。

真理とは、生きるとは、いったいどういうものなのかを
問いかけながら、等身大の悩める若者としてえがかれている
そうです。

キリストではなくお釈迦様をモデルにしたところが、やはり
面白いですね。

もしかしたらキリスト教だけでは補完できない何かを、
東洋の求道者に求めたのかもしれません。

興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

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