ベトナムに行ってきました



真言宗豊山派の総本山である長谷寺能化(住職)であった
権田雷斧(ごんだ らいふ)管長猊下が、真言密教の教えを
伝えるために中国へ渡ったのが、いまから90年ほど前の
ことです。

御歳74歳で船に乗り、台湾を経て南中国・汕頭(スワトゥ)・
潮州へ渡り、真言宗の大切な教えを80余名に伝授相承したと
言います。

さらには、大本山護国寺貫首佐々木教純台下は、そのあとを
引き継ぎ第二次世界大戦という戦火の厳しい中で中国に渡り
700余名に自分の命をかけて、真言密教を伝える強い思いを
届けられたのです。

いま、その教えを受けた中国の末弟たちは香港、ベトナム、
トロント、シアトル、ロサンゼルス、オークランド、オーストラリア
などに別れて、真言宗の豊山派との交流を持ち、海外布教の拠点と
なっているのです。

特にベトナムは、戦争によってサイゴン崩落・・・。
ボートピープル化した彼らとは、その行方すらわからない時が
あったといいます。

今回その「越南(ベトナム)仏学明月居士林」を訪問して、先師の
遺徳を讃え、また各物故者の菩提と世界平和を祈るご法要をさせて
頂きました。

この日は「法事組」と呼ばれる方々で堂内は一杯です。
おそらく本格的な真言宗の法要を体感するのは、初めての方々も
いたことでしょう。

我々が合掌すれば合掌、立てば立つし、礼拝をすれば礼拝をします。

言葉や会話が出来なくても、意味がわからなくても「学ぶ」という
ことが、いかにモノマネで始まることが、よくわかる瞬間でもありました。

真言宗の聲明(しょうみょう)という独自のお経が、堂内に気持ちよく
響き渡り、それぞれが、その「歴史の重み」を共有できた時間でもあった
ように思います。

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