お寺が500年を迎えるので、そのための寺誌をまとめて
いるのですが、古い資料収集は、竹橋の国立公文書館がかかせません。
たまたま、「絵で見る江戸の夏」という企画展では、「昔の人が、
どのようにして暑さをしのいでいたのだろう」という記録を
見ることができます。
「法律とかのお堅い文書がたくさん並んでいる」というイメージ
だったのですが、庶民の暮らしを記録した書物もいっぱいあるん
ですね。ちょっと驚きです。
展示されていた「盛夏路上の図」(東都歳時記)には、スイカの切り売りを
するお店のほか、ところてんや深井戸からくみ上げた冷たい水を売る屋台が
描かれています。
今ならば、街角にある立ち飲みの喫茶店や自動販売機のような感覚だった
のですね。
お寺や神社も、当時の代表的な冷涼スポットになっていました。
参拝前に心身を清めるための池や修行のための滝で、水浴びを楽しむ
人々を描いた絵も展示されています。
冷たいわき水は、冷蔵庫のような使われ方もしていたみたいです。
夏の終わりの夜になると、マツムシや鈴虫の鳴き声を楽しむ
「虫聞き」も広く行われていました。
やっぱり「虫聞き」ですよね~~~~!!
あたり一面が、闇に包まれた中で虫の音を楽しむのって、今の感覚でも
かなり風流というか、怖い~~感じがします。
自然の恵みを巧みに生かしながら、たくましく夏の暑さを楽しんで
いた江戸時代の暮らし・・・。
現代に生きる私たちにとって、学ぶべきものがたくさんありそうです。