お盆の出来事



昨日でお盆が終わりました。最高に暑かったですねぇ~~。

「その1」
お盆は、大切なご先祖をお迎えするわけですが、世の中には
葬儀もしない、法事もしないなんていう供養の施しをもらえない
可愛そうな精霊がたくさんいます。

そんな精霊は、いつも満足していません。そこでお盆の精霊棚の
下には、餓鬼飯(がきめし)という食べ物を、何気なく用意します。

それは、ご先祖だけではなく広くすべての精霊のためという、
お盆の昔からの気遣いです。

学校で教えてくれる話ではありません。

家の中でお盆の飾りをみんなでしながら、親から子どもへ、
おばあちゃんから孫へと伝わり、その「やさしさ」を自然と
感じていくものなのです。

最近は、そんなことを知る家庭も少なくなりましたね

「その2」
自転車で動いている時は良いのですが、檀家さんの精霊棚の
前に座ると胸元からド~~と熱いものがこみ上げ、背中を汗が
走ります

顔には汗をかかないタイプなので・・・
「修行をされているので暑くないんですねぇ・・・」なんて
言われながら・・・。

「はい、そうなんですよ」と、適当な答えをしながらチ~~ンと
金を鳴らして読経・・・。

軒数があるので1軒に要する時間は15分くらい。質問やら
お気持ちを聞いていると時間がずれてきてしまいます。

充分にお話を聞きたいけれど、1日にこなさなければならない
回数を考えると、そのバランスにいつもジレンマが起きます。

お盆の時のツライ感覚です

「その3」
2時にお約束の方がいたので、ギリギリにお寺に帰ってきて
打ち合わせ・・・。

永代供養のお申し込みの方でした。
どうしてもお盆の期間中に申し込みたいとか・・・?

その必要はないかと思いますが、ご本人が「納得」出来ている
ことが「供養」では一番大切なことですから・・・

「その4」
夕方から一龍斎貞花師匠の講談の会があるので、その前に火照った
身体を冷やしたいと思いプールのジムへ・・・。

そういう時に限って檀家さんに合ってしまうんですよね~~~。

お盆なのに和尚は何しているのかしら・・・?
パン~パン~なんてね

「その5」
パン~パン~と言えば講談です。
張り扇で釈台を叩き、「講釈師、扇で嘘を叩き出し」なんて言われるように
リズミカルな話芸は、どんな荒唐無稽な話でも嘘いつわりのない本当の
出来事のように思わせてしまいます。

嘘のことも本当にしてしまう話芸といいたいところですが、貞花師匠の
お話は、誠実なお人柄が、そのまま芸風となっているすばらしいもの・・・。

笑いあり涙あり、そん安心感からか多くのお寺さまでも派遣講師?
いやいや「特派布教師」として檀家さんの前でお話されることも
たくさんあります。

全宗派制覇しているんですかね~~~。

今日の演題は、ライフワークにもなっている「像のトンキーとワンリー
そしてオリジナルの立体怪談「耳なし芳一」・・・。

ご自身だけお岩さんの御守りをもっていて、「あくびをしたらアゴがはずれる」
「途中で退席したら交通事故にあう」などと前置きされて、師匠の顔が
赤く照らし出されて怖い~~

師匠は、こんなことも言っておられました。

最近は、手を合わすことがなくなったと・・・。

それが世の中が、おかしくなってきてしまった原因かとも・・・

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お盆の出来事 への6件のフィードバック

  1. フードアナリスト食人 のコメント:

    師匠
    師匠は大変喜んでおりましたねえ。私はいつか金剛院さまの潜水和尚の講談を創作して頂き海に散った精霊のご供養によろしいかと存じます。感謝合掌。沼崎益夫拝

  2. kan のコメント:

    どこへ行くのでしょうか?
    最近は混乱する政治家の皆さんの信心深い
    話を聞くこともなくなりました。
    皆さん個利のためにしか動いていないみたい。
    脳死の改定も、ほとんどの政治家の方が
    ポリシーを持って可決されたとは思えません。

  3. 背骨 のコメント:

    Unknown
    背骨でございます。

    > 最近は、手を合わすことがなくなったと・・・。
    祈りに限らず、食事なんかでもそうですね。たまに外で食事をした時でも、食べる前と食べた後に手を合わせている人はほとんど見かけません。

    「何かに感謝することがなくなった」と言い換えると、この問題は身近に感じられるかもしれません。

    私は自動車の運転をよくする方ですが、交差点や狭い道で対向車や右折車に道を譲った時、相手が挨拶をしてくる率はここ数年で大きく下がっています。特にいわゆる「プロドライバー」といわれる方々でその傾向が顕著なような…。世の中が便利になっていく一方で、私たちは感謝の気持ちを忘れているように思います。

    唯一の救いは、若い人たちの考え方が少し変わってきているのでは? と思える点です。
    今年の春、神奈川県の三浦三十三観音をお参りした折、お札所で真剣に手を合わせる10~20代の女の子をよく見かけました。お札所を守るご住職や観音講の方々も驚かれていたくらいです。
    彼女たちは、何を思って観音さま巡りをしていたのでしょうか…。

  4. 和尚 のコメント:

    フードアナリスト食人さま
    それよりも、もっと良いネタがあるんですよ!
    講談でお願いしたら最高かも!!
    それとも師匠に稽古をつけてもらい、自分で
    しちゃおうかな・・・。

  5. 和尚 のコメント:

    kanさま
    脳死の法律どころではない場面で良く
    通過しましたね。

    他にもクリアしなければならない重要法案が
    たくさんあったというのに・・・。

    相当なロビー活動やファックスでの意見書が多数
    あって、そのおかげで成立したみたいです。

    「人の死」の中で、これもそれぞれの個略が
    あったんでしょうかね・・・?

  6. 和尚 のコメント:

    背骨さま
    たしかに・・・自動車のドライバーさんは、
    待っていても平気で通り過ぎていきますよね。
    ちょっと手を挙げるだけで気持ちが良いのに・・・。

    和尚の寺にも、若いお参りの方も増えたように
    思います。

    目に見えるものは、はかなく散ってしまうことを
    知り・・・。

    逆に、目に見えないものの中に、本当の真実が
    隠されていることに気づき始めたのかも・・・。

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