「煩悩即菩提」



久しぶりに知り合いのお寺様へ伺ったら、お寺の回りが
空き地だらけに・・・。
高層階のマンションが建築されるみたいです。

相当大きな雑草が生えているので、だいぶ前から空き地だったのでしょう。
以前テレビで、東京の土地が更地だと、雑草が生えて成長し、複数年後には
ジャングルになっていくComputer Graphicsを見た記憶があります。

「雑草」というと汚い感じがあって、現実的にも美化の問題もあり、
嫌われがちです。

でも、反対に考えれば、そこの場所には「いのち」があるということ・・・。
その緑が大きく成長し、やがて花が咲き実がなります。

だから「草木成仏」...。

「人間」と同じように「草木」も平等に「成仏」するという大乗仏教に
おける「仏」の特徴的な真理です。

さらにその教えはバージョンアップして、目に映るすべてを「肯定」
していく「煩悩即菩提」(ぼんのうそくぼだい)という現れとなっていきます。

「煩悩」(欲や迷い)が、すなわち「菩提」(さとり)というと違和感が
ありますが、「生」と「死」の相反する対比でありながら、明らかにそれは
つながっているのと同じです。

怒り、むさぼり、私利私欲・・・。

そんな自分の「煩悩」に気づき「そんな自分はイヤだ・・・!!」と、
心からの叫びが聞こえたとき、そこから「悟り」のプロセスが開けてきます。

「煩悩」が「菩提」だというのではなく、「煩悩」のままで良いという
のでもなく、「雑草」のような「煩悩」に気づいて、そこからいかに
花を咲かせ実をつけるか・・・。

そんな「こころ」の転じ方を示した言葉です。

そう・・・すべてが自分の「こころ」が作り出すものだから・・・。

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「煩悩即菩提」 への1件のコメント

  1. フードアナリスト食人 のコメント:

    煩悩即菩提
    丁寧なご説明良く理解出来ました。感謝感激。ありがとうございました。これでゆっくり休むことが出来ます。

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