英語版、奥の細道?!



先日、「奥の細道」320年のことを書きましたが、それを見た方が
面白い情報を教えてくれました。英語版の奥の細道があるそうです。

海外には源氏物語のファンもいるそうですから、奥の細道が英訳されて
いても不思議じゃないかもしれないけど、でもやっぱり不思議な気分・・・。

なにしろ、あの奥の細道が英語ですよ?!
俳句なんて、どうやって翻訳しているんでしょうね?

なんて思っていたら、情報をくれた方からその本を見せてもらえました。
ドナルド・キーンという学者さんが訳したものだそうで、普通に日本でも
本屋さんで売っているそうです。

月日は百代の過客にして、行きかふも又旅人也。
という出だしの文章は、こうなっています。

The months and days are the travellers of eternity.
The years that come and go are also voyagers.

う~ん、これって風情があるのでしょうか・・・?
直訳すると、
「月日は永遠の旅人です。来たり行ったりする年もまた旅行者です」
確かに原文で言っている内容はそうですよね・・・。

芭蕉の有名な句の一つは、

 夏草や 兵(つはもの)どもが 夢の跡

こうなります。

The summer grasses Of brave soldiers’ dreams The aftermath

直訳すると、
夏草-
勇敢な兵士の夢の
余波

やっぱり、日本の古典文学は日本語で味わわないと、風味が
損なわれるのかも・・・。

でもなんとなくリズムが五七五っぽくなっているような・・・?
と思っていたら、こんな解説を聞かせてくれました。

なんでも、日本人から見たら味気ない英文でも、このドナルド・キーン氏の
英訳は、原文の文体を尊重して、ぎりぎりまで簡素に切り詰めた文章に
していて、英語圏の人から見たら、それなりに奥の細道らしい雰囲気が
楽しめるようにしてあるそうです。

原文がそうであるように、英訳文もリズムを以て噛み締めて味わえるそうです。

言われてみたら、普通なら翻訳するとどうしても説明臭い文章に
なりがちなところを、すっきりとした訳文にまとめているのはすごい
ことなのかもしれませんね。

日本語でも、古典文学を現代文に翻訳すると、説明くさくて回りくどい
表現になりがちですし・・・。

ちなみに英語でのタイトルは、
「The narrow road to OKU」
になっています。

余談ですが、あのビートルズも、奥の細道に影響を受けて作った
曲があるとか・・・。

本当かどうかは判りませんけど、ビートルズファンの人が
言っていたそうです。

ネットで調べてみても、どの曲がそうなのやら、それらしい情報は
みあたりませんでしたけど・・・。

でも日本びいきのビートルズならあり得ない話でもない気もしますし、
もし本当なら面白いですよね。

誰か知らない・・・?

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英語版、奥の細道?! への2件のフィードバック

  1. 春香 のコメント:

    英訳なかなかよいと思ったんですが
    英語だけみてきれいな情景だと思いました。在米歴12年目です。

    The months and days are the travellers of eternity.
    The years that come and go are also voyagers.

    何ヶ月も何日もという日々を永遠に旅人としてすごす日々。
    何年も年を重ねて、重ねてはまた新しい年がきて、新しい年を又重ねる、まるで航海のたびのようでもある
    人生がめぐりめぐって前世からこの世、来世までカルマのような大きな世界観の中でグルグルとまわっている日々を精神世界に集中して現実は旅人として航海の人生

    みたいなイメージです。
    英訳文、素敵だと思いますが

  2. 和尚 のコメント:

    春香さま
    英語は詳しくありませんが、日本の文化が
    紹介されることはうれしいですね。
    また、いろいろと教えて下さい

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