「五大に皆 響き有り」



いつもお世話になっているお寺さまで、五智如来(五仏)の
開眼法要がありました。

五仏とは、宇宙の中心であり真理そのもの大日如来。

鏡のようにすべてを映し出し、清らかな信仰心の阿閃如来。

世の中をよく観察し、正しい姿を大慈大悲の智徳で示す阿弥陀如来。

すべての存在に価値を認め、その利益を本願とする宝生如来。

必ず、必ず、すべての円満成就を示す不空成就如来。

凜とした奈良の山の中で由谷倶忘大仏師によって3年の
年月を経て完成した五仏を、本堂に安置して立体的な曼荼羅を
表現した総開眼法要・・・。

大日如来を万物の根源として、壮大な真言密教の宇宙観を
羯磨曼荼羅で表現したものです。

しかも「密教伝来ー五智如来讃嘆」と称した、弘法大師さまの
「言葉」を通して、真言宗の教えとその流れを朗読、オーケストラ、
声明で展開される創作法要でした。

人であれ動物であれ植物であれ「あらゆる世界のあらゆる存在は、
すべて仏さまの言葉で成り立ち、それぞれが響き合って共鳴している」
と言います。

空があり、太陽があり、谷があり、水があり、山がある。
鳥が鳴き、風を感じ、そして自分がいます。

それぞれの森羅万象の波動が響き渡り、そこに「存在」すると
いう奥深さを、あなたは感じたことはないですか?

それが大日如来の説法であり、弘法大師の「五大に皆 響き有り」
というすばらしいお言葉です。

そんな、心地よい「響き」に酔いしれた法要でしたね。

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