命を考えて



ある方のお見舞いに病院へ行きました。

その方は、脳障害のために脳からの信号が肺に
伝わらないので、正常な呼吸ができなくなって
しまっています。いわゆる脳死状態です。

そこで現在の医療では、延命治療して人工呼吸器が
つけられます。

その機械をつけなければ自発呼吸ができないので死を
迎えます。しかし、人工的に呼吸が補助されているので
延命が可能です。

無理矢理、肺に空気を送るのでベットで寝ていると体が
海老ぞりに反りかえることもあります。もちろん体温も
あり、咳もするし、瞬きもします。

でも、話しても反応はありません。

その病室には、同じような方が6人いて、長い方は
2年も呼吸器をつけられた状態です。気の弱い方は、
その場にはいたくないかもしれません。

でも、その中のお一人は、毎日家族の方がお見舞いに
来て話をしたり、体をさすったり、ラジオをイヤホンで
聴かせたりしています。

多分、反応はないけど患者さんには、すべてわかって
いるのだと思います。

経済的な理由や家族の状況によっては、呼吸器の
スイッチを切ってしまうことが報道などで問題に
なっています。

人間の人間らしい尊厳死という思いからは、相反する
と考える方もいるかもしれませんが、この世に「生」が
あることを確認できる、大切な時間だと和尚は思います。

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命を考えて への2件のフィードバック

  1. toraneko のコメント:

    生きているだけで・・・
    とても考えさせられるお話です。

    以前嘆願書をお願いしましたが
    最終的に6630件集ったそうです。

    猫虐殺犯人の判決が下りました。

    懲役一年半執行猶予三年

    犯人は笑っていたそうです。
    これから何事もなく生きていくかと思うと
    怒りで体が震えます。
    もがき苦しむ生涯を送れ!!と切望する。

  2. 和尚 のコメント:

    toranekoさま
    そうですか・・。
    本当にひどい話です。
    お気持ち察します。

    「善因善果、悪因悪果」は仏教の基本です。
    多分良い人生は送れないでしょう。

    そして「憎しみ」からも良いものは
    得られません。

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