まだ、和尚がお坊さんに成り立ての頃に、一人で
お盆のご供養にお檀家さんの自宅に伺っておりました。
ご廻向が終わって振り向くと、誰もいません。
こういう時の対応は、師僧から教えて頂くことではなく
経験と図々しさが何よりです。
初めての経験でドキドキして困っていると奥様が・・・。
「和尚さん・・ごめんなさい!!暑いからお風呂でも
入っていきなさいよ!!」
こんな時の対応も想定外です。
あとでわかったことは、このお宅は鳶職人さんの
自宅で奥様は、若い職人さんの面倒をみているので、
こんな気さくさな言葉は、日常的だったのでしょう。
あるいは綺麗で若い未亡人のお宅で、新盆のご廻向が
終わってご挨拶すると・・・若い奥様が真剣なお顔で・・・
「ご住職さん・・・」
次の言葉が怖くて心臓がドキドキしていると・・・。
「左右の耳の同じところにホクロがあるんですね・・・」
人生の無常の嘆きかと思えば、軽いノリで、こんな時も
どのようなお答えをすれば良いのか・・・若い時には
答えが見いだせないのかもしれません。
人生は経験ですね(笑)