世の中には書道の達人がいらっしゃいます。
豊臣秀吉や良寛なども独自の風合いがあって
すばらしいですが、主に平安時代に活躍した空海、
橘逸勢、嵯峨天皇の三人を「三筆」と呼んでいます。
空海とは弘法大師さまのことで、「弘法は筆を選ばず」と
いう、ことわざがあります。
「書の上手い方は筆の善し悪しを選ばない」という
意味で、どんな世界でも達人ともなると、悟りを
開いているために、道具の善悪や回りの細かいことは
関係ないんだ、というふうに捉えています。
しかし、これは間違いで、弘法大師さまは、筆への
「こだわり」があって、良い字を書くには、良い筆で
ないとダメだと言うのです。
つまり「弘法は筆を選ぶ」ということになり、かなりの
収集家でもあったようです。
贅沢とはでなくて、物事を追求してためには、いい加減な
妥協は許さずに、さらなる奥を深めていくために、どんなに
小さなことでも細心の注意と研究を怠らない・・・。
それが、弘法大師さまの人生観でもあったようですね