「パラレル・ニッポン現代日本建築展1996-2006」
という写真展を見てきました。
東京都写真美術館で開催中のパネル写真ですが、内容は
というと、過去10年の間に日本で建築された、あるいは
日本人が海外で建築した建物の写真展です。たわいのない
展覧会ですが、結構内容が濃くて楽しめました。
なぜ、この展覧会に行きたかったかというと、和尚の寺の
建築計画に参考にしたかったからです。これからの寺院運営を
考えると、いろいろな環境の変化で従来の寺の形では、多分
対応出来なくなっていくと思われるからです。
写真展を見ていると、お寺だけに限らず、身の回りの急速な
変化で、いったい世の中に何がおきているのか・・・?
それによって、建物の建築構想も社会の世相に、非常に
反映された建築がされているということがよくわかります。
112棟の建物を4つのカテゴリに分類されていて、特に
「生命」のコーナーでは、墓地や寺社の建物が展示されています。
今後の少子化や核家族化で寺や墓地は、どのようなコンセプトで
作られていくのでしょうか?
合同葬の墓参所(2002年/池原義郎)は、遺骨を地下に配置
して、地上には献花台だけが置かれていて墓地とはわかりません。
西早稲田の観音寺(1996年/石山修武)は、本堂の天井は
カーテンで仕切られ、はだか電球。構造の強固さを保つために
壁がナナメになっています。
いずれも何か既存の概念を破壊して、再構築しようとする挑戦が
感じられます。
しかし逆に、人間のエゴを感じるような「これでもか!」と
自己主張するものもあり、哀しさや痛ましさを感じたりも
します。
いろいろな方向性を考えるには、参考になった写真展でした。