”ありがたい すまない きのどく”



和尚の大先輩に田嶋隆純大僧正という方が
おりました。

若くしてチベット語や梵語の研究のためにフランスへ
留学されたのです。70数年前のことです。

真言宗の大切な教典である『大日経の研究』などを
フランス語で出版されたのは、世界で初めてのことでした。

何だかお堅い方という印象かもしれませんが、とても
お人柄のすばらしい方であったと聞きます。
というのも・・・・。

ライブドアとか村上ファンドで有名?になった東京拘置所。
以前は、和尚の寺の近くにあり、巣鴨プリズンと呼ばれて
いました。

そこは、多くのA級BC級戦犯が収容され、戦犯34名が
処刑されました。
そこで、田嶋隆純大僧正は、有名な花山信勝教誨師(A級戦犯)
のあとでBC級戦犯の教誨師を勤められ“巣鴨の父”と
呼ばれ、受刑者から慕われていたのです。

田嶋隆純大僧正は、死刑確定者たちに僧侶として世俗的な
説教をすることなく、助命嘆願のために各地へ署名運動に
奔走し、また、死刑囚の手を取って、力の不足を詫び、
ひたすら傍らで泣いたといいます。

”ありがたい すまない きのどく”を日常の信条とし、
また、それを実践されました。

”いまを最善に生きること”それが同時に永久に生きる道で
ある。仏教の教えは「この一言に究極する」と説きました。

今年50回忌を迎えられ、お目にかかったことはありませんが、
この本で大僧正の面影を知ることができました。
合掌

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”ありがたい すまない きのどく” への3件のフィードバック

  1. 風祭竜二 のコメント:

    田嶋隆純先生
    こんにちは、毎日暑いですね。
    僕もブログで田嶋隆純先生をアップしました。
    こちらのブログにも遊びにいらして下さい。
    長谷寺、護国寺、四国八十八ケ所霊場もアップしてあります。

  2. 風祭竜二 のコメント:

    ブログ
    ブログのアドレスをご案内させて頂きます。
    http://blogs.yahoo.co.jp/kirigakiri/15813878.html

  3. 和尚 のコメント:

    風祭先生
    ご無沙汰をしております。
    いつもブログで作品を拝見しているので
    おそばにおられるような感じがして・・・。

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