彼女の悩み


風邪をひいて喉が痛い。
法事、葬式、通夜と体調の悪い時に限って
ご回向が重なってしまう。

お通夜の席で、セレモニーの担当の方がお茶をだして
くれた。若い女性で金髪に近い赤毛のロン毛を無造作に
束ねている。
ピアス、指輪はあたりまえ。普段着でいたら渋谷にで
いそうな女の子である。
しかし、お葬式用のスーツを着ていて、儀礼的な冷たい
口調で話すので、思わず質問してしまった。

「失礼だけどおいくつなの?」
「22歳です」と素直に答える。
「どういうご縁があって、ここで働いているの?」
「私の友達がセレモニーの社長さんで、ちょっと手伝って
くれないと誘われて・・・」

嫌がらずに素直に答えるので、ついつい質問が・・・。
「こういうお葬式の仕事していて、どんな風に感じているの?」
「最初の頃は、遺体も見ることできなかったし、遺族の涙に
共感して涙の日々でしたけれど、今はなれちゃってきている
自分がイヤです・・・最初の頃のように普通でありたい」

おそらく彼女の本心だし、大きな悩みでもあるのだ。
普通であれば葬儀の援助はできないし、なれてしまえば事務的に
なってしまう・・・。

そんな悩みを持ちながら、遺族のためと働いておられる方々に
よって葬儀が支えられているだ。

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彼女の悩み への5件のフィードバック

  1. 権べぇ のコメント:

    あっ!
    住職さん、文章の最後が田舎者みたいだぁ。

  2. バナナ牛乳 のコメント:

    あああっ
    ほ、ほんとうだ!文章の最後があああ。

    しんとした気持ちで読み進めていたのですが
    思わず最後にゆるんでしまいました
    体調はどうですか?季節の変わり目だし
    無理なされませんように

  3. 和尚 のコメント:

    ホントだぁ~
    何でこうなっちゃたんだろう・・。
    最近机の前に座ると無意識状態になって
    眠くなってしまう。
    先日も大事なファイルを知らない間に
    削除しちゃった~。

  4. makoto のコメント:

    Unknown
    私も業務で葬儀に係わることが多いんですが、
    自分がいかに「事務的」に業務を行なっていたことを、
    自分が遺族になって初めて痛感しました。
    情けないことです。
    結婚式は何度もやる人がいらっしゃいますが、
    葬儀は一度きりですからね。

  5. 和尚 のコメント:

    ほんとうに
    ご葬儀の第3者的なお手伝いと、葬家となり
    送り出す喪主は、明らかに違いますね。
    そんな喪主の気持ちが、不安から解消され
    心からのお見送りが出来るよう、良い葬儀が
    行えると思います。

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