早いものでもうすぐ節分。
金剛院では、地域の振興や子どもたちにも豆を撒いてもらいたいので
立春前の日曜日行っています(今年は終了)
豆まきをする「年男、年女」を地域から募集しています。
年男、年女というと、今年ならば酉年生まれの方のこと。
その年の干支に生まれた、12歳、24歳、36歳・・・が年男、年女
ということになりますが、実はもともとの「年男」の意味は、ずいぶん
違ったものでした。
いまでも辞書には載っていますが、
本来の年男とは、年末年始の行事を司る男性を指すことばでした。
正月に神仏様をお迎えするためにしめ縄を新しくしたり、
新年最初に供える「若水」を汲んだりという、一年のスタートを
飾る大切な行事の数々は、歴史上ながく一家の大黒柱、家長がおこなう
大切な勤めとされていました。
田舎にいくと現在でも、年末にその年の秋に刈り取った稲わらで、
新しいしめ縄をつくるのはお父さん(あるいはおじいさん)の役目、
という習慣が残っているところがあります。
年明けにまつわる行事を司る男だから「年男」。
そしてそれは多くの場合家長の役目だったので、年男といえば家長を
指すことがほとんどでした。
それがいつの頃からか、お父さん以外の家族や、大きな家では使用人が
年男の仕事をつとめることも多くなっていきました。
だんだんと「年男」の該当者が多くなっていきます。
そして、さらにいつの頃からか、節分の豆まきをするのも「年男」
ということになり、さらにさらに、女性にもその役目を担ってもらおうと
「年女」ということばが使われるようになっていったのです。
その年の干支生まれの人を「年男、年女」と呼ぶようになったのは、
歴史的には比較的新しいことだったんですね。
豆まきには、豆をまく本人の厄を払うという意味もあるので、もし機会が
あれば、ぜひご近所のお寺の豆まきに参加してみてください。